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FXバックテストの設計をChatGPTに手伝わせる:検証ルールを言語化する方法

TL;DR

バックテストが続かない原因は、ルールが曖昧なままテストを始めてしまうことにあります。私はChatGPTにトレードルールの言語化と検証条件の整理を任せることで、再現性のあるバックテストが設計できるようになりました。

「バックテストをやったほうがいいのはわかってる。でも続かない」

……これは私だけではないと思います。

バックテストが続かない原因を振り返ると、ルールが曖昧なまま「なんとなく」テストを始めていたことに気づきました。

「移動平均線がクロスしたら買い」——これだけでは、どの時間足?どのMA期間?利確と損切りは?ルールの穴が多すぎて、毎回判断がブレるのです。

そこで、ChatGPTを使ってトレードルールを徹底的に言語化する工程を挟むようにしたところ、バックテストの再現性が上がりやすくなり、続けやすくなりました(体感)。

結論(観測):バックテストが続かない原因は「ルールの曖昧さ」にあることが多い。ChatGPTにルールの言語化を手伝わせると、検証条件が明確になり、再現性が上がる“可能性がある”。(ルールが明確になるため)

手順(最短)

  1. 自分のトレードルールをChatGPTに壁打ちして言語化する
  2. 検証条件(期間・時間足・通貨ペア・勝敗基準)を整理する
  3. バックテスト結果をテンプレートに記録し、AIで振り返る ※AIはバックテストを「実行」しない。ルール設計と振り返りの補助ツール。

この記事の要点:①ルールの曖昧さをAIの質問で潰す ②検証条件を固定して裁量を排除 ③改善は1つずつ再テスト(過剰適合を避ける)

この記事でわかること

  • バックテストが続かない3つの原因
  • トレードルールを言語化するプロンプト
  • 検証条件を整理するテンプレート
  • バックテスト結果の振り返りプロンプト
  • オーバーフィッティングを防ぐ考え方

バックテストが続かない3つの原因

原因 具体的な症状 解決策
ルールが曖昧 「なんとなく」でエントリー判断がブレる AIでルールを言語化する
検証条件がバラバラ 毎回違う時間足・期間でテストしている テンプレートで固定する
結果を振り返らない テストして満足、改善に繋がらない AIで振り返りを仕組み化する

ルナの観測メモ:バックテストは「やったかどうか」より「再現できるかどうか」が大事です。同じルールで同じデータを使えば同じ結果が出る——この再現性がないと、テスト結果を信頼できません。


ステップ1:FXバックテスト用にトレードルールをChatGPTで言語化する

ほとんどのトレードルールは、頭の中では「わかっている」つもりでも、文字にすると穴だらけです。

プロンプトテンプレート

以下の私のトレードルールを、バックテストで再現できるレベルまで
具体化してください。曖昧な部分があれば質問してください。

【エントリー条件】
- 通貨ペア:USD/JPY
- 時間足:1時間足
- 買いの条件:5MAが25MAを上抜け(ゴールデンクロス)
- 追加フィルター:RSI(14)が50以上

【決済条件】
- 利確:+30pips
- 損切り:-15pips

【除外条件】
- よくわからないけど、重要指標発表の前後は避けたい

AIから返ってくる質問(例)

ChatGPTは曖昧な部分を突いてきます。これがルール精密化のカギです:

  • 「ゴールデンクロスの判定は、足の確定時点ですか?リアルタイムですか?」
  • 「RSIが50以上とは、エントリー時点の数値ですか?1本前の足ですか?」
  • 「重要指標発表は、具体的に何分前〜何分後を避けますか?」
  • 「同時に複数のシグナルが出た場合、ポジション数の上限はありますか?」

ルナの観測メモ:この「AIからの質問」に答える過程で、自分のルールの解像度が格段に上がります。壁打ち相手としてのAIの本領が発揮される場面です。


ステップ2:検証条件を整理する

ルールが言語化できたら、バックテストの検証条件を固定します。

検証条件テンプレート

【検証ルール名】GC+RSIフィルター v1
【通貨ペア】USD/JPY
【時間足】1時間足
【検証期間】2025/07/01〜2025/12/31(6ヶ月)
【データソース】MT4ヒストリカルデータ

【エントリー条件(確定版)】
1. 1H足確定時に5MAが25MAを上抜け
2. 同足のRSI(14)が50以上
3. エントリーは次の足の始値

【決済条件】
- 利確:エントリー価格+30pips
- 損切り:エントリー価格-15pips
- どちらかに先に到達した時点で決済

【除外条件】
- 米雇用統計・FOMC当日はエントリーなし
- 同時ポジション数の上限:1

【勝敗の定義】
- 勝ち:利確到達
- 負け:損切り到達
- 引き分け:7日以内にどちらにも到達しない場合、7日目の終値で決済

ルナの観測メモ:このテンプレートのすべての項目が埋まっていなければ、バックテストを始めないというルールにしています。曖昧な項目が1つでも残っていると、テスト中に"裁量"が入り込んで再現性が崩れるためです。


ステップ3:結果をAIで振り返る

バックテストの結果が出たら、ChatGPTに振り返りを依頼します。

振り返りプロンプト

以下のバックテスト結果を分析して、
改善ポイントを整理してください。

【ルール名】GC+RSIフィルター v1
【検証期間】2025/07/01〜2025/12/31
【結果】
- トレード回数:42回
- 勝ち:22回(52.4%)
- 負け:18回(42.8%)
- 引き分け:2回(4.8%)
- 損益合計:+120pips
- 最大連敗:4回
- 最大ドローダウン:-60pips

【質問】
1. この勝率と損益比(RR比)は、ルールとして“期待値がプラスになりうる形か”を、数字の読み方として整理して。
2. 最大連敗4回を前提に、資金管理(例:1回の許容損失%・連敗耐性)の考え方を整理して。※具体の数値は自分の資金・許容損失に合わせて決める前提で。
3. 改善するとしたら、どの条件を変えるのが効果的か?
4. オーバーフィッティングの兆候はあるか?

ルナの観測メモ:AIの分析はあくまで「仮説」です。改善案を1つだけ変えて再テストするのが、オーバーフィッティングを防ぐコツだと私は考えています。


オーバーフィッティングを防ぐ3つの原則

原則 内容
ルールは少なく 条件3〜5つで始める。追加は1つずつ
改善は1つずつ 同時に2つ以上変えると、何が効いたかわからない
別期間で検証 テスト期間と異なる期間(フォワードテスト)で確認する

ルナの観測メモ:勝率が“極端に高い”ルールには注意が必要です。過去データに過剰適合している可能性があり、未来の相場では機能しないケースもあります(特に条件が多い場合)。


まとめ

バックテストのステップ AIの役割
ルールの言語化 曖昧な部分を質問して精密化
検証条件の整理 テンプレートの壁打ちで漏れを防ぐ
結果の振り返り 仮説ベースで改善案を提案
テストの実行 ❌ AIは実行しない(MT4/TV等を使う)

バックテストの価値は「やったかどうか」ではなく「再現できるかどうか」です。

……ルールを言語化し、条件を固定し、結果を振り返る。この3ステップをAIで仕組み化すると、バックテストが「面倒な作業」から「学習のサイクル」に変わると感じています。🌙

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、元本を超える損失が発生する可能性があります。バックテストの結果は過去のデータに基づくものであり、将来の利益を保証するものではありません。AIの出力は投資助言ではありません。取引の最終判断はご自身の責任で行ってください。


FAQ:バックテスト×AIでよくある質問

Q. ChatGPTでバックテストを自動実行できる?

A. ChatGPT単体ではヒストリカルデータの取得や自動売買のシミュレーションはできません。AIの役割は「ルールの言語化」「検証条件の整理」「結果の振り返り」です。実際のバックテスト実行にはMT4/MT5やTradingView等の専用ツールが必要です。

Q. バックテストはどのくらいの期間やればいい?

A. 目安として3〜6ヶ月など“ある程度の期間”で検証すると安心、という考え方があります。ただし、期間よりもトレード回数(最低30〜50回など“ある程度の試行回数”)を確保すると傾向を見やすいです。

Q. バックテストで勝てたら本番でも勝てる?

A. バックテストと本番では条件が異なります(スリッページ、スプレッド変動、メンタルの影響等)。バックテストは「ルールの有効性を確認する工程」であり、本番での利益を保証するものではありません。

Q. ルールが多すぎるとどうなる?

A. ルールが多すぎると過去データに過剰適合(オーバーフィッティング)しやすく、未来の相場で機能しない可能性があります。シンプルなルール(条件3〜5つ程度)から始めて、必要に応じて追加するのがおすすめです。


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⚠️ 免責事項:この記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。